午後Ⅱ対策が重要! ITストラテジストのおすすめテキストと勉強方法

DX

DX時代に大注目のITストラテジスト。

資格勉強を通じて経営とITを結び付け、企画・提案する力が向上し、キャリアの幅が広がります。

 

しかし、ITストラテジストの勉強を何から始めればいいかわからない人も多いのでしょうか?

ネットを検索しても勉強方法やおすすめテキストの情報量がそれほど多くないので筆者も当初は悩みました。

試験勉強の経験を元に、いかに少ない時間で合格の可能性を上げるかというか観点で最適な方法やおすすめテキストを紹介します。

 

高度情報技術者試験の未経験者は通信講座がおすすめ

ITストラテジスト以外も含めて高度情報技術者試験を受けたことがない人は通信講座 を申し込みましょう。

進め方が本当に合っているのだろうかと不安に思いながら進めることもなかったので勉強に集中することができました。

以下に紹介するテキストを使用し、独学でも合格は可能だと思いますが、確実性を上げ、少ない時間で合格を目指すのであれば通信講座 がおすすめです。

通信講座としては、Studying、TAC、ITECがあります。

中小企業診断士試験でStudyingで勉強した方の中でコスパの良さに感動した方も多いと思いますが、Studying がこの3つの中では最も安く、さらに合格お祝い金のキャッシュバックや10%オフキャンペーンなどもあり、おすすめです。

繰り返しになりますが、高度試験の経験がない方は通信講座 を受けた方が良いでしょう。

 

午前Ⅰ対策

難易度としては基本情報処理技術者試験の難易度とあまり変わらないです。

中小企業診断士の一次試験の経営情報システムよりは深めの内容になっていますが、マニアックな問題は少なく、教科書と過去問をしっかりやれば確実にクリアできます。

テキストは1冊だけで十分です。

 

教科書を2周くらい読んで、あとは過去問で間違えた箇所を見ていくだけでOKです。

弱い分野の問題を何度も解いて、全体を底上げしていくのが効率的です。

筆者はネットワーク、セキュリティが弱かったので、その分野の過去問を繰り返しました。

逆にマネジメント系、ストラテジー系は得意だったのでほとんど勉強しませんでした。

 

午前Ⅱ対策

中小企業診断士の一次試験の企業経営理論、財務会計を簡単にしたようなイメージです。

基本的にはテキストを一通り読み、過去問で間違えた箇所の理解が浅ければテキストに戻って確認するくらいでした。

 

筆者は書籍を1度流し読みして、過去門を2年分ほど解いて、2回とも90点くらいだったのでほとんど勉強はしていません。

中小企業診断士の方であれば勉強なしでOKです。

 

午後Ⅰ対策

中小企業診断士の二次試験と似ており、20~40文字で回答させる記述式となっています。中小企業診断士の二次試験ほど練られた問題ではなく、国語の問題で何も勉強せずにいきなり受けても合格に近い点数は取れます。

これも基本的にはテキストと過去問演習になります。

コツは問題選定、時間配分、マーキング方法、の3点です。

問題選定

4問中、2問を選択し、回答することになります。

午後Ⅰ試験は時間にそれほど余裕があるわけではないので問題選定に時間をかけるのは得策ではありません。

まず過去問をやってみて、製造系、販売系、組み込みシステム系などのどの分野が得点を取れそうか感触を掴んでみて下さい。

ある程度傾向がはっきりしている様であれば過去問演習も分野を絞って行い、試験当日も同じ分野を選択するようにします。

得意分野の傾向がないという方は、当日の試験内容を見て判断することになりますが、内容そのものを吟味している余裕はありませんので、部分点を獲得しやすいという意味で解答文字数が多い問題を選択するのが良いと思います。

 

時間配分

2問で90分ですが、それなりの量の文章を読むことになるので時間の余裕はありません。

試験当日は45分を経過して1問目が終わってなくても2問目に行くようにしましょう。

過去問演習では1問あたり40分を目標に行うようにして、その感覚を覚えておけば当日それほど焦ることもないでしょう。

 

マーキング方法

ITストラテジスト試験に関しては蛍光ペンの持ち込みはNGで黒の鉛筆やシャーペンだけでマーキングすることになりますので、見やすいマーキングの仕方を心がけましょう。

キーワードは丸で囲む、経営課題や事業課題は四角で囲む、特に重要と思われる箇所は☆をつける、ポジティブ材料は二重線、ネガティブ材料は波線、といった具合に自分の中でルールを決めておきます。

設問にもキーワードや見落とすと不正解になるような重要な制約が含まれているので、設問にも自分で決めたルールを適用します。

 

その他の午後Ⅰの注意点

初見でそこそこの点数は取れるのですが、過去問を単純に繰り返しても伸びにくい科目と言えます。

過去問を解いた後、解説を読み込んで、何が原因で間違えたのかしっかり探ることが重要です。

キーワードを見落としたのか、設問をよく読んでいなかったのかなど振り返りましょう。

そして、間違えた原因を取り除くために、マーキングの仕方を変えたり、段落に番号を振って、関連しそうな文章に段落番号を記入しておいたり、注意点としてリストにまとめたり、対策に落とし込むこと等を検討します。

また解答例が一つなので自己採点で低くなりがちなので凹みますが、あまり気にしないようにしましょう。

本番では部分点もあります。

でも部分点があるからといって油断しないようにしましょう。

バランスが結構難しいです。

 

午後Ⅱ対策

合計3000文字近く書く必要があり、ITストラテジスト試験の最大の関門と呼ばれています。

コツをつかめば簡単でしたが、コツを掴むまでが少し悩みました。

テキストは以下のテキストを重宝しました。

 

論文のお作法が理解でき、事例が多く載っており参考になりました。

多くの事例に触れて、施策や工夫するポイントの引き出しを多く持っておくことが合格に直結します。

 

設問(ア)~(ウ)の3問があります。

(ア)が事業概要、事業特性、経営課題とその背景

(イ)が経営課題を解決するためのIT戦略、施策、

(ウ)が経営層への説明内容、説明方法、指摘事項と指摘を受けて改善した内容

というのがオーソドックスな形です。

全体と設問毎の注意点を以下に述べます。

 

午後Ⅱ試験全体の注意点

時間内(120分)に完了するように訓練する

当たり前の話ですがストーリーが完結していないと合格できません。

与件文を読む時間、ストーリー組み立ての時間、設問(ア)終了の時間などを把握し、感覚を掴んでおく必要があります。

筆者は初めて午後Ⅱの問題をやった時にPCで解答を作ってから、紙に手書きで記入しましたが、書くだけで2時間かかってしまいました。

そのため過去問をやる中で書く訓練も同時に行うようにします。

字は汚くても読んでもらえるので、解読できる範囲で早く書くようにしてください。

手が疲れてくるので後半は特に字が乱れます。      

書きやすくて疲れにくいシャーペンを選び、筆圧が強くなくても書けるようにBの芯を選ぶとよいです。

 

また試験中に大量の文章を消して、書き直すと時間が足りなくなる可能性が大きいです。

筆者は本番でタイトルを入れ忘れていたのですが、すでに10行くらい書き進めていました。

全部消すと時間が足りなくなると判断し、すでに書いた10行分の後ろにタイトルを書き、タイトルを囲って、既に書いた10行分の前に矢印を引いて挿入することを図示し、文章を書き直さずに対応しました。

 

論文の事例をあらかじめ2、3パターンのストーリーを持っておく

上記の時間内に終わらせることにも関連しますが、試験当日にストーリーを考えている時間はありませんし、課題解決のために工夫した点やアピールポイントをその場で考える時間もありません。

TACの通信教育では模擬試験を含めて3回論文を添削してもらいます。

その3回分の添削後の論文を何回も読んでいました。

あらかじめ作成しておく論文はなるべく自分の経験に基づいたものが良いでしょう。

当日の試験で問われ方に少し変化があっても対応できます。

経験がなければ、せめて自分が扱っている製品やサービスに関する内容にするとよいでしょう。

工夫した点やアピールポイントは当日の試験で問われている内容に合わせて、盛り込んでいきます。

 

問われている内容に答える

これも当たり前の話ですが結構難しいです。

上記のように事前にストーリーを作っておくのは必須なのですが、完全に記憶した状態で試験に臨むと記憶している文章を重視するあまり、聞かれている内容にストレートに答えておらず、わかりにくい文章になってしまうことが多いです。

その結果、問われている内容とズレた内容を解答していると見なされ、減点されてしまいます。

ストーリーはあらかじめ考えておき、記憶することで時間ロスを少なくする一方で題意を外さないということは意識しておくというバランスが重要になります。

 

設問(ア)の注意点

事業概要、事業特性、経営課題とその背景、環境変化などについて800文字以内で説明します。

設問(ア)に関しては問われる内容は毎年大きく変わらないので、基本的には暗記した内容を書き出すだけでよいと思います。

ただし設問(イ)や(ウ)で書く施策につながる内容であることに注意します。

設問(ア)で多くの伏線を張っておき、設問(イ)と(ウ)で回収するイメージです。

そうすると(ア)から(ウ)の内容に一貫性が出てくるので読みやすい論文になります。

設問(イ)の注意点

設問(ア)の背景や課題を受けて、問われている内容について800~1600文字で解答します。

具体的な施策は必ず書く必要があるので事前に引き出しをたくさん持っておき、経営課題や背景、設問内容に沿った施策を選んで説明します。

ITに関する専門的な内容よりも、推進するための事前準備や体制作り、投資対効果、定着のための教育体制やルール整備、リスクコントロールなどが定番です。

自分の経験も踏まえ、この辺の内容を事前に整理しておくと良いでしょう。

しつこい様ですが記憶した内容をそのまま書くと、聞かれている内容に答えていなかったり、話に一貫性がなくなったりしますので注意しましょう。

また与件文には、~が必要である、重要であると記載されている箇所があり、その部分は積極的に解答に使用していきましょう。

以下のような文章が与件文にあることが多いです。

「ITストラテジストは、現場で起きる問題を予測し、未然に防止できる工夫も必要である」

この場合、予測した問題とその理由、未然に防止したこと、工夫したことを解答に盛り込みます。

「私は〇〇のような問題が起きると考えた。なぜならば〇〇だからである。そこで事前に関係者にアンケートを実施した。アンケートの結果、〇〇であることが判明したため、事前に〇〇の説明を行うこととした。さらにアンケートの内容を深堀りするために、複数の部署でアンケート結果のフィードバックとヒアリングを行った。ヒアリングの結果、〇〇であることも判明し、〇〇についても事前に対策を立案することとした。」

与件文に書いていないことと関連のない施策を書いてはダメかというとそういうわけではありません。

設問(ア)で説明した課題を解決する上で重要と考えた施策は書くようにしましょう。

 

設問(ウ)の注意点

経営層へ説明した内容、指摘を受けて改善した内容を説明するのがオーソドックスな形です。600~1200文字で説明するようにします。

設問(イ)と同様に、与件文に「経営層には〇〇や△△などを説明することが重要である。」などの記載があることが多いので、その場合は〇〇、△△に関する説明内容と工夫した内容を積極的に使っていきます。

設問(イ)、(ウ)に言えることですが設問内容に対する主張とその理由、具体例、深堀り、リスク対応を記載し、論旨を展開し、設問(ア)~(ウ)の一貫性に注意しながら論旨を展開していきます。

 

午後Ⅱまとめ

まずは合格論文の事例を読んで、上記の内容が押さえられていることを確認してください。

そして、時間を気にせずに1つの論文を仕上げてみましょう。

まず手を動かして、振り返ることでコツが掴めると思います。

多くの事例に触れて、施策の引き出しを増やしていくことで自分の実力が上がっていくことも体感できると思います。

 

最後に

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

やっぱり午後Ⅱ試験の内容がほとんどになってしまいました。

それほど午後Ⅱの試験は大変で、重要で、実務でも役に立ちます。

筆者も試験勉強(特に午後Ⅱ)を通じて、ITと経営を結びつける能力が格段に上がったと感じており、大変仕事に役立っていると感じます。

これからの時代、ITストラテジストは非常にニーズの高い資格になると思います。

本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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