中小企業診断士として登録するには15日間の実務補修又は実務従事が必要になります。
普通の人は中小企業診断協会が主催している実務補修(5日間)を3回受けることになりますが、費用が16万円程度かかり、結構高額です。
このうち1回でも実務従事にすると55,000円を節約することができます。
また中小企業診断士として登録したあとも5年間で30日間の実務従事を行うことが必要ですので、実務従事の流れや要件について理解しておいた方が良いでしょう。
筆者は15日間のうち5日間を実務従事にしました。
思っていたよりハードルが低かったので、実際に経験した内容を紹介させて頂きます。
Contents
診断先は知り合いでもOK?
知り合いでOKです。中小企業でなく、個人事業主でOKです。
詳細は中小企業庁HPのQ&Aを見ればわかります。
筆者は叔父の飲食店を診断させてもらいましたが、全く問題ありませんでした。
診断先に書いてもらう書類は?
診断助言業務実績証明書(様式19)に企業名、住所、電話番号、代表者氏名と捺印、実績年月日と実績日数等(右図の赤枠の部分)を書いてもらいます。
他の証拠書類等は一切要求されていません。
これだけ?
というのが正直な感想です。
詳細は述べませんが、やろうと思えば何でもできてしまいます。
ここで診断先に記入してもらうにあたって、心配される点が、
中小企業庁から診断先へ直接連絡がいく事はあるのか?
という事です。
例え知り合いでも診断先に迷惑がかかったり、ややこしい事に巻き込んでしまったりしたら嫌ですよね。
実際に中小企業庁に電話で確認したところ、「診断先に直接問い合わせることは無いです。何か問い合わせするときは、まず申請された方に連絡します。」とのことでした。
知り合いに診断業務をさせてほしいと依頼する際も、迷惑はかからないという事は一言伝えると良いと思います。
実務従事を実際にやってみた(実際の流れ)
診断先へのアポ取り
まず診断先である飲食店を経営している叔父に下記の説明を行いました。
- 中小企業診断士の資格登録のために実務実績、ポイントが必要であること
- 迷惑のかからない範囲で訪問、ヒアリング、提案を含めた診断書作成、を行わせてほしいこと
- 証拠書類として診断助言業務実績証明書に名前、捺印、実績日数等を記入してほしいこと
- 診断助言業務実績証明書に記入しても、迷惑がかかるようなことはないこと
了解を得られたので、感謝の意を伝え、訪問日を決めました。
事前準備:経営診断概要把握、業界調査
「コンサルタントのフレームワーク」を読み、診断業務の流れを把握しました。
「業種別審査辞典」は大きめの図書館にしかありませんが、診断先の業界の概要や慣習を把握するのに非常に便利です。
ヒアリングの時間は限られていますので、図書館で関連する部分(飲食店関係)だけコピーして、事前に読んでおきました。
そして、ヒアリング事項、質問事項をリストにまとめておきました。
昨今、DXやデジタル化の記事を見ない日はありませんが、DXの切り札といわれるノーコードツールについて以下の記事で紹介しています。
診断先でも興味を持ってもらえると思いますし、提案の幅も広がります。
訪問、ヒアリング
実際に診断先を訪問し、ヒアリングを行います。
それほど長い時間を想定していませんでしたが、ヒアリングには3時間ほどかかりました。
叔父が仕事を一生懸命やるというイメージはなかったので、違う一面が見れてとても新鮮でした。
診断報告書作成、報告、実績証明書の記入・捺印
診断報告書は現状、課題、提言の流れでまとめました。
せっかくヒアリングの時間を頂き、色々と熱く語って頂いたので、少しでも役に立とうと一生懸命作成しました。
作成完了後、報告し、実績証明書に記入・捺印頂きました。
実務従事の感想、まとめ
筆者は実務補修は2回受けた時点で診断業務の大体の流れがわかり、3回目の実務補修を受けても得られるものはないだろうと考え、実務従事にトライしてみました。
診断先さえ見つかれば簡単だという感想です。
やる事は以下の2点です。
診断先を見つける(知り合いの個人事業主でOK)
診断助言業務実績証明書の記入・捺印をもらう
得られたメリットは以下の3点でした。
- 実務補修代55,000円が削減できる
- 実務補修より大幅に少ない時間で5ポイントを獲得できる(ぶっちゃけ1日でも可能)
- 診断士登録後の30日間の実務従事も何とかなるという安心感が得られる
中小企業診断士に合格した後は転職やフリーランスの可能性が広がります。
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