中小企業診断士とは

中小企業診断士について

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士とは経営コンサルタントの国家資格です。

仕事内容として代表的なものは経営指導、診断業務、講演やセミナー、調査・研究、執筆などです。

経営に関する幅広い知識や助言する能力が求められます。

資格保持者の2~3割が独立しています。

独立している方の年収は幅広いですが、2000万円以上稼いでいる方も結構いらっしゃる様です。

 

中小企業診断士の試験概要

試験は一次試験(マークシート)、二次試験(筆記+口述試験)があります。

口述試験は二次試験の合格者が受験する事ができますが、口述試験の合格率はほぼ100%なので、実質的には二次試験が最終関門になります。

一次試験概要

7科目で択一のマークシート形式となっています。

合格基準は総得点数が60%以上(420点以上)であり、40点未満の科目が無い事となっています。

合格の有効期間は2年間であり、1年目で一次試験をパスすると2年目は二次試験のみ受験する事が可能です。

科目別の合格制度があり、60点以上で科目合格となり、当年度、翌年度、翌々年度の当該科目が申請により免除されます。

試験は8月上旬の土日で行われます。

合格発表は9月上旬ですが解答自体は試験後すぐに発表されるため自己採点で合格しているかどうかは試験日の数日後にわかります。

ただし設問自体に不備があったり、難易度が高すぎた科目などは4点を加点するなどの得点調整が入りますので、自己採点でギリギリ不合格の方は9月上旬まで最終結果はわかりません。

公認会計士や税理士の方は申請により試験科目の一部を免除できます。

  試験科目 試験時間 配点
一日目 午前 経済学・経済政策 60分 100点
財務・会計 60分 100点
午後 企業経営理論 90分 100点
運営管理 90分 100点
二日目 午前 経営法務 60分 100点
経営情報システム 60分 100点
午後 中小企業経営・中小企業政策 90分 100点

 

二次試験概要

4科目の記述試験となっており、一次試験の合格者が受験する事ができます。

総得点で60%以上(240点以上)が合格となります。

試験日は10月下旬で合格発表は12月上旬となっています。

一次試験と異なり自己採点ができませんし、試験の手応えも自分ではわかりにくいので、合格発表まで待つしかありません。

試験科目 試験時間 配点
午前 事例Ⅰ(組織) 80分 100点
事例Ⅱ(マーケティング) 80分 100点
午前 事例Ⅲ(運営管理) 80分 100点
事例Ⅳ(財務・会計) 80分 100点

 

3.習得できる内容

戦略、組織、マーケティング、財務、会計、生産、販売、物流、システム、ミクロ・マクロ経済学、知的財産、会社法、民法、中小企業政策など幅広い知識が身に付きます。

会社全体がどういう風に回っているのかがわかるようになります。

そのため、勤務先においても他部署がどういう仕事をやっているのかがわかるようになり、仕事がやりやすくなります。

日経新聞を読んでも、わからない用語が少なくなり、内容を理解できるため、深く読み込めるようになります。

 

4.取得したい資格No.1

2016年の「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格」(2016年1月12日発表、日本経済新聞社および日経HRの共同調査より)で中小企業診断士がTOEICや簿記などを抑えて1位になりました。

日本版MBAとも呼ばれており、経営全般について学べるという事でビジネスパーソンに人気の資格となっています。

近年、国が副業の後押しをしており、中小企業診断士の方にとっては活躍の場が増える可能性が高いです。

またフリーランスを志向する人が増えており、そういった方にもピッタリの資格だと思います。

そのため今後もますます人気となる事が予想されます。

 

5.AIに代替されない士業No.1

2017年9月の日経新聞の記事でAIによる士業の代替可能性という記事がありました。

中小企業診断士は「0.2%」と弁護士「1.4%」より少なく、士業の中ではAIに代替される可能性が低いという結果でした。

(会計士:85.9%、税理士:92.5%、弁理士:92.1%、社労士:79.7%…etc)

中小企業診断士の方は診断士である事以外に強みを持っています。

マーケティングに強い診断士、事業承継に強い診断士、ITに強い診断士など、実務経験と組み合わせて活躍されています。

また企業によって課題は様々で、似たような課題でも企業文化や扱う製品・サービスによって解決策は変わってきます。

解決策を示すだけでなく、経営者の話を聞き、共感するというようなスキルも必要になってきます。

業務が非定型で多岐に渡り、臨機応変な対応が求められるため、AIに代替されにくいのだと思います。

 

6.筆者にとっての中小企業診断士資格

筆者は視野を広げたいという思いから中小企業診断士の資格を目指しましたが、挑戦して本当に良かったと思っています。

思いつくだけでも以下のようなメリットがありました。

  • 会社内での評価があがる
  • リーダーシップを発揮しやすくなる
  • 転職だけでなく、独立という選択肢ができる
  • 社外の人脈ができる

他に勉強習慣がついたり、名刺交換で関心されたりといった事はありましたが、大きかったのは上記のような変化があり、仕事や会社へのスタンス・価値観が変わったことでした。

自信がつき、いざとなれば転職でも独立でもすれば良いと思える事で、変に気を使ったり、忖度したりといったことが少なくなり、精神的に自由になった気がします。

人生100年時代と言われていますが、資格を取得する事で選択肢が大きく増えて、本当に目指して良かったと思っています。

セカンドキャリア築いていく上で非常に有意義な資格であると思います。