中小企業診断士|独学のためのおすすめ通信講座とテキスト【一次試験】

一次試験勉強法

中小企業診断士 の一次試験の範囲は非常に広いです。また資格取得を目指す方は社会人の方が多く、時間のない方がほとんどです。

多くのサイト、ブログで推奨されているスピードテキストを買いそろえ、勉強を開始しようとしている方は要注意です。

スピードテキスト自体は試験範囲を網羅されており、良いテキストであることは間違いありません。

しかし、初学者がスピードテキストだけを使って勉強しようとすると一年間で合格することはほぼ不可能です。

長い時間かけても最終的に合格できれば良いのですが、途中で挫折する方がほとんどでしょう。

既に診断業務をやっている方、知識がそれなりにある方、偏差値70以上の方でなければおすすめできません。

ここでは半年から一年で合格レベルの実力を身に付けるためのおすすめテキスト、教材を紹介します。

 

全科目共通おすすめテキスト、通信講座

スタディング(旧通勤講座)

主要教材としてはスタディング (旧通勤講座)がオススメです。特徴は以下の通りです。

  • 100点を目指すのではなく、合格基準である60点をクリアする事に徹底的にこだわった講義内容となっている
  • いつでもどこでも隙間時間にスマホで勉強できる

 

無料講座を体験できますので一度試してみると良いと思います。

スタディング 無料講座受講はこちら

 

予備校に通う時間が無かった筆者にとっては、これが無ければ診断士試験に合格することはできませんでした。

とにかく動画での講義内容がわかりやすく、無駄がなく合格するために60点をクリアする事にこだわった内容となっています。また生の講義と違い、余計な小話などは一切なく、無駄を完璧に排除しています。

また動画や音声を倍速で聞けたり、演習問題の間違った箇所だけ復習できたりと徹底的な効率化を図っています。

動画と同じ内容のテキスト冊子版のオプション (13,800円)がありますがこれは購入した方が良いです。

過去問を解いていく中で気づいたことを書き込んだり、マーカーで線を引いたり、記憶に定着しにくい箇所に付箋をはり、後で集中的に復習したりといった活用法になります。

特に勉強終盤になると弱い部分だけを復習したいので、動画よりテキストの方がやりやすいです。

冊子版テキストを含めると8万円くらいになりますが、10%OFFのクーポン合格お祝い金など安くすませる方法があります。

また厚生労働省の教育訓練給付制度 の対象として認定されており、4万円ちょっとまで下げる事が可能です。

スタディングを安く購入する方法は以下の記事を参照ください。

とにかく5万円以下で得られる知識がハンパないので診断士を目指さない人にもおすすめしたいです。

ビジネススクールに何十万円も払って、経営について学ぶより断然コストパフォーマンスに優れています。

筆者はあの有名なグロービスにも通った事がありますが、得られたものはスタディングの方が大きかったと思います。

 

筆者は受講していませんが、スタディングと並んで人気なのが診断士ゼミナール です。

色んなサイトを調べた限りではコスパという点でスタディングと並んで2強です。

人気ではスタディングの方が若干リードしている様です。

 

TAC一次試験過去問題集

どの資格でも言えることですが過去問演習は必須です。

私はTACの過去問題集を選択しました。特徴は以下の通りです。

  • TACデータリサーチに基づいた各問題の難易度がわかる
  • 法律や制度変更があった設問は「参考問題」と注意書きがされてる

 

資格専門学校大手のTACは毎年、一次試験の直後に解答採点サービスを行っており、多くの受験者が活用しています。

受験者にとっては一次試験の採点ができるため非常にありがたいサービスです。

一方、TACは問題毎の正解率のデータを獲得することができ、その正解率のデータを次年度の過去問題集に難易度A~Eという形で反映させています。

この難易度判定をできることがTACの過去問題集を選択した最大の理由です。

難易度A( 受験者数の80%以上が正解)⇒ 絶対に落とせない

難易度E(受験者数の20%以下が正解)⇒ 別にできなくても良い

などの判断ができるため、復習においても頑張る部分サッとすませる部分を仕分けることができ、効率的に進めることができます。

A~C問題は確実に正解し、D問題で他社と差をつけ、ほとんどの人ができないE問題は捨てる、といった戦略で行うと時間を効率的に使えます。

A問題もE問題も同じ時間、パワーをかけるのは愚の骨頂です。普段の仕事にも言えることです。

 

科目別おすすめテキスト

企業経営理論、運営管理はスタディング とTAC過去問集のみでOKです。
他の5つの科目についてもこの2つがベースになりますが、補助テキストが必要ですので紹介します。

財務会計(計算問題集、簿記・仕分けの理解)

財務会計についてはスタディングで内容を理解したあとは「中小企業診断士 集中特訓 財務・会計 計算問題集」で演習を繰り返すことが必要です。

独学合格者でこの問題集を持っていない人はいないのではないかと思うくらい良い問題集です。

二次試験対策でも使いますので、ボロボロになるまで使用しました。

 

また財務会計では仕分けでつまずく方が多いのではないかと思います。

そういった方には「財務3表一体理解法」「パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 教科書&問題集」がおすすめです。

いずれもわかりやすく勉強が苦になりません。

「財務3表一体理解法」は細かい仕分けを気にせずに、会計の素人でも財務3表(P/L、B/S、C/S)のつながりが理解できます。

これは中小企業診断士試験に限らず、社会人全員に読んでほしいくらい良い本だと思います。

 

「パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 教科書&問題集」は4コマ漫画と詳細解説の構成となっておりスラスラ読み進めることができます。

パブロフ君が可愛く、癒されます。

 

経営情報システム(ネットワーク用語集)

経営情報システムでは「図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説」を使いました。

IT業界の方であれば不要かもしれませんが、経営情報システムは横文字、略語が多いため馴染みのない筆者にとっては必須でした。

イメージ付きで理解できるため、記憶に残りやすかったです。

 

経済学・経済政策(速習マクロ経済学)

ミクロ経済はスタディングで理解することができましたが、マクロ経済で理解がなかなか進まず、一次試験の勉強で初めて壁にぶつかりました。

そこで使用したのが「速習マクロ経済学」です。

本当にわかりやすくて驚きました。色んなブログでおすすめされています。

それなりに集中力を要するためにスラスラとは進みませんが、勉強していて面白かったです。

 

経営法務(TACスピードテキスト)

法務についてはここ4年くらい難化傾向にあります。

中小企業診断士 一次試験 科目別 平均点

かなり細かいことを問われるのでスタディングだけでは十分ではありません。

筆者は初めての一次試験で総合得点はクリアしていたものの経営法務で足切りとなり、涙を飲みました。

そこで2回目の経営法務ではTACのスピードテキストを使用しました。

網羅性が高いですが、量が膨大なため初学者がスピードテキストだけで勉強するのはオススメしません。

しかし、スタディングで基礎を身に付けた上で、足りない部分を補強するためには有効なテキストであり、勉強しておけば足切りは防ぐことができます。

 

中小企業経営・政策(TACスピード問題集)

中小企業経営・政策もスタディングだけでは不安ですが経営法務ほどではありません。

難易度が比較的安定しており、そこそこ勉強していれば足切りのリスクはかなり低いと思います。

しかし、中小企業経営・政策の過去問集の解説を見て頂くとわかるのですが「参考問題」となっている問題が多く存在します。

「参考問題」というのは統計データ、法律、政策等が変わっているので、正解が変わっている又はもう試験には出ない、という事です。

そのため問題演習量が足りなくなるので、TACの「スピード問題集 中小企業経営・中小企業政策」を使用しました。

 

以上のテキストを活用した勉強方法は下記を参照ください。

 

おすすめしないテキスト・勉強法

スピードテキスト(のみの学習)

様々なブログで独学者向けにはTACのスピードテキストが推奨されています。

網羅性が高いので確かにスピードテキストに書いている事を理解し、記憶できれば一次試験は確実に合格できると思います。

しかし、普段から診断業務を行っている方か一部の天才と呼ばれる人でなければ膨大な時間を要するか、途中で挫折するでしょう。

一度勉強をしたことのある人の補強向けです。

初学者には膨大な時間と根気が必要ですので、スピードテキストのみの学習は継続できないと思いますし、継続できたとしても半年間で合格レベルに達することは困難です。

 

中小企業白書

中小企業経営・政策の勉強に推奨されている事が多いですが、量が膨大すぎます。

短期間で資格取得を目指す方でなければ良いと思いますが、半年で合格レベルまで到達するつもりであればこれを読んでいるヒマはありません。

読み物としては面白いですが試験対策としてはおすすめしません。

また購入しなくてもインターネットで無料で読むことができます。

 

まとめ

  • スタディング(旧通勤講座)と過去問題集をベースに進める
  • 補いきれない部分は補助教材を活用する
  • スピードテキストだけでのインプットは非効率なので避ける